マウスピース型矯正装置の利点と欠点(Invisalign)
2022年4月4日
当院でもマウスピース型矯正装置のニーズは高まっているのが現状です。
今回は、インビザラインなどをはじめとするマウスピース型矯正装置の利点と欠点をお話しします。
利点
1)食事で装置が外れたりすることがない(急患が極めて少ない)
2)歯間ブラシ・デンタルフロスなどを含め歯みがきも、矯正前と同じようにできる
3)審美的に他人に矯正をしているのが分からない
4)長期間、来院できない(留学・引っ越しなど)場合でも、ワイヤー矯正よりは対応できる
欠点
1)説明書にあるように1日20時間から22時間は装着しないといけない
2)患者さんの使用時間に治療結果が大きくゆだねられる
3)マウスピースの管理(時間。日数など)が大変
4)症例によっては不適応の場合も多い
利点のトップに挙げた事は、「ワイヤーが刺さって痛い」、「ブラケットが外れた」などの応急的処置が少ないということです。これは患者さんにとって楽です。なんでも今までと同じように食事ができます。
食後の歯みがきは必須ですが、歯間ブラシやデンタルフロスの使用も今まで通り可能ですので虫歯のリスクも軽減できます。
また、長期間の留学などで来院できない場合や、引っ越しで遠方へ行ってしまってもワイヤーのように毎月チェックする必要は必ずしもなく(もちろん月1のチェックが望ましいですが)数か月に一度の来院で矯正治療を継続することが可能です。
またもちろん審美的にも他人に矯正治療中だとわかることはほとんどありません。
欠点としては、患者さんの使用時間に矯正治療結果が大きくゆだねられるという点です。担当医が治療計画を作成し歯を動かしていくわけですが、このような治療計画を遂行できるのは患者さん自身の使用状況に大きく左右されてしまうのです。自分で費用を負担していない小学生や中学生などはしっかりと使用できない傾向があります。
細かく、時間設定をして日数の把握をきちんとできるような人ではないとなかなか矯正治療が終わらないという結果になってしまいますので、その辺をふくめて矯正治療が早く終われるような装置を選択した方が良いかもしれません。症例によってはマウスピース型矯正装置が適応外の場合もありますので担当医と相談をお勧めします。
篠原亨太郎