花粉症・アレルギー性鼻炎と食事・歯並びの関係
2025年3月18日
食事と歯並びの関連性についてのお話です。
1) 花粉症や鼻炎との歯並びの関連性について
2) 鼻炎(アレルギー)を治していく食事療法について
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当院へ来院される子供のほとんどが、慢性鼻炎や花粉症による鼻炎、中にはアトピー性皮膚炎をお持ちです。
まず、歯並びは舌と口唇のバランスが取れたところに排列していきます。鼻炎による口呼吸がなぜ、歯並びに影響するのかお話しします。上の顎は口蓋と言われる部分の真ん中が生まれたときはきちんとくっついていません。
普段から舌が上あごにきちんとくっついて、鼻呼吸できていることで、口蓋が横へ広がっていきますので、舌がきちんと上に上がっていることによりアーチが大きくなっていく事がとても大切です。これは中学生になってからでは遅く、上あごの横への成長は10歳くらいまでと言われています。
鼻炎により舌が上に上がっていない口呼吸のお子さんはまずは、上の顎の成長が十分にできないということになります。歯並びにとって舌の位置やその使い方(嚥下や発音)は大変重要な要因になるのです。
※2
アレルギーを引き起こす要因は様々ですが、悪いものとしては1)砂糖と2)グルテンが挙げられます。
砂糖の過剰摂取により血糖値が跳ね上がり、そのあとインスリンというホルモンにより急降下しますが(血糖スパイク)、その際にコルチゾールという血糖値を上昇させるホルモンが過剰に出てきます。このインスリンは、炎症を促進させるサイトカイン(IL-6 TNF-α)を増やしアレルギー反応を悪化させます。
コルチゾールは本来アレルギーを抑える働きをしているので、そこでコルチゾールが大量に使われてしまうと鼻炎などの炎症反応が憎悪してしまうというメカニズムです。
本来コルチゾールは、緊急時のストレス下で分泌されるものですが、糖質摂取に伴う血糖の乱高下によって1日に何回も分泌されると、副腎に負担がかかります。そして、副腎に負担がかかるとコルチゾールの分泌が減少し、結果としてアレルギー症状の悪化につながります。
また、グルテンはラーメン、パスタ、菓子パン、ピザなどに多量に含まれる物質ですが、これも砂糖と同様、アレルギーには良くないことが分かっています。
腸は人間にとって大切な器官の一つですが、砂糖やグルテンの多量摂取によって腸内の悪玉菌を増やし腸内フローラのバランスを崩し、それが悪玉菌のえさになり腸内の炎症を促進させます。
腸内のバリア機能が崩壊すれば、有害物質が血液中に流れ出し、体内の免疫システムが過剰に反応し花粉症などのアレルギー反応がひどくなるというメカニズムです。
花粉症などの鼻炎が継続すれば、舌位が下に落ちて舌筋が弱まり、それが小学生以下の子供であれば上顎骨の成長に悪影響を及ぼすだけでなく、噛む力、口唇・口輪筋の力も弱まります。これが不正咬合の原因です。
また、ビタミンDもアレルギー反応を抑制することが分かってきています。ビタミン D は焼き魚などに多く含まれるもので日光に当たることにより体内で生成されることも分かっています。
現代社会において、日光を遮断する日焼け止めはアレルギー性鼻炎にとってはよくないことが分かります。ビタミン D は食事で摂ろうとしてもなかなか摂りにくいのでサプリメントもお勧めです。
こういったことを踏まえて、鼻炎を根本的に治すことは子供の顎の発達にとってはとても重要です。日々の食生活よってアレルギーをひどくしてしまうこともあるので、
食事のポイントとして
1)食物繊維(野菜・ナッツ・海草)を先に食べる。
2)タンパク質(肉・魚・卵)をしっかり摂る
3)間食では糖質の少ないものを選ぶ
が挙げられると思います。
ご参考になれば幸いです。 院長2025/3/18




