初診時検査について
2022年9月7日
矯正治療の検査ってなにをやるの?
矯正治療の術前検査ではいろいろな項目があり、当院でもCT撮影により顎の大きさや、歯の傾斜角度だけでなく舌位、鼻腔の炎症、上下顎骨の骨幅、上顎洞などの副鼻腔の確認などを行っています。
印象採得と言って歯型も採りますがこれは3Dの映像よりも、歯型に石こうを流して実物大の大きさの模型を作成し口腔内を裏側から見たり微妙なかみ合わせを視覚的に理解するためのものです。インビザラインやワイヤーでの従来の矯正治療問わず術前検査は必須です。
1)顎の大きさ
2)舌の位置
3)鼻腔 副鼻腔の精査
4)歯の大きさ
5)前歯の位置や傾斜角度
6)骨格的な問題(下あごが大きい、小さいなど)
7)口呼吸、歯ぎしりなどの習癖
8)顎関節の精査
9)歯磨き指導 染め出しPCR(プラークスコア)
10)歯周基本検査(歯周ポケットの深さを測る・歯周病があるかどうか)
1)CT撮影の必要性
これによりいろいろなことがわかります。気道や扁桃肥大なども診査して呼吸の問題もあるかどうかをみて診療に生かすようにしていきます。場合によっては副鼻腔に問題が見つかることもあります。気道のボリュームを計算していびきなどの症状の診査も可能です。耳鼻咽喉部位に問題がある場合は矯正治療前に連携の専門医(多摩総合小児医療センター・多摩北部医療センター)などに紹介させていただいております。また、舌の位置もわかりきちんと舌が挙上しているかどうかも診査します。顎の位置の精査や(顎関節の位置の確認)骨の変形なども見ることが必要で吸収していた場合、進行性のものもあり詳しく見ることが大切でその原因も精査してから矯正治療を開始するようにしています。また歯を動かすにあたり動かす位置に骨があるかどうかや、その骨自体に何か問題がないか歯根の問題もないかどうかを見ることもできます。またCTから歯の傾斜角度や骨の大きさ顎の大きさを診査し数値化したり、平均値と比較できるプロフィログラムというものも作成することができます。正面からの精査も重要で骨格的に左右的なずれがないか、前歯の中心が骨格とのずれがないかも重要な審査項目になります 。当院ではすべての資料をプリントアウトし診断時にお渡ししており、アプリにも送信し携帯電話でいつでも術前資料を確認していただくことが可能になっています。
2)セットアップ予測模型について
最近では口腔内スキャナーを使用して、3D画像にて歯の動きを見ることが可能になっています。当院でもI teroというスキャナーを利用し大まかな歯の動きを患者様にお見せしています。正確な個々の歯の動きをミリ単位で把握することは困難で、当院では昔ながらの石こう模型を分割し歯の排列を行っています。それがSET UP模型と呼ばれる予測模型となります。当院では院長が自分自身で排列を行い、患者さんごとの治療計画を考えています。この作業により担当医は患者さんごとの歯列の特徴を把握しながら理想的な位置に歯を並べるシュミレーションを行うことになります。この予測模型はなくてはならない重要なもので診断時には患者様にも確認していただく模型となります。
このようにお一人の治療計画を立案するためにはいろいろな検査からの精査・診断が必要になります。検査時間は1時間ちょっとかかりますので
ご理解の宜しくお願い申し上げます